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さわだ行政書士事務所のブログ 二足のわらじの奮闘日記

京都府亀岡市にある「さわだ書店」と「さわだ行政書士事務所」。書店をしながら行政書士も頑張っています。

農地や森林の相続は、漏れにご注意を。

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今日は、相続の手続きで見落としてしまいそうな事柄を、ご紹介します。

不動産の相続といえば、その手続きとして「登記」をすることは、皆さんご存じだと思います。

そのうち、農地と森林の相続については、その所在地を管轄する市区町村への手続き(届出)が必要です。

農地の場合は平成21年12月、森林の場合は平成24年4月から届出が義務化されました。

 

国土交通省のデータによれば、相続人のうち必要な手続きを全て完了している人の割合は農地で10.5%、森林ではわずか6.1%に留まっているそうです。

つまり、農地や森林を相続した人のうち9割程度は、何らかの手続きが不足しているということで、その中には、市区町村への届出の漏れが含まれると考えられます。

 

届出が義務となった理由としては、農地及び森林所有者の不在化及び不明化を防ぐことにありますが、耕作放棄地(遊休農地)を把握することのほか、有効な鳥獣害対策による周辺住民のための環境改善や、災害発生時の迅速な復旧等もあります。

また、農地や森林を取得した人が、遠隔地に居住するなどで農地等が利用できない場合に、貸借のあっせんを行う等、土地所有者の適切な管理や利用を促進するという目的もあります。

 

なお、届出をする期限は、農地の場合は相続発生から10か月以内、森林の場合は土地の所有者となってから90日以内と決まっています。

届出をしなかったり、虚偽の届出をした者は10万円以下の過料に処せられることがあるのでご注意ください。

 

不動産の登記(法務局への手続き)は司法書士、農地・森林に関する届出(市区町村への手続き)は行政書士が、その専門です。

 

漏れなく、手続きは完了しておきたいですね。

 

 

 

さわやかな朝

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今日は朝から滋賀県大津市で仕事があったので、少し早めに着いてモーニング。

マクドナルドのホットケーキセットです。

これまで食べる機会が、あまりなかったんですよね。

 

理由1:車で移動することが多いので、ナイフ&フォークを使うようなドライブスルーは利用しづらい。

理由2:車を停めて食べる食事は時間がもったいない。

理由3:そもそも早起きしないので、店に入ってまで朝食をとる習慣がない。

 

そこで、今日はせっかくなので早めに家を出て、念願のマクドのホットケーキです。

おいしいです。3枚も入っているのでお得。ちょっと優雅な気分にもなりますね。

バターは真っ白なのに、ちゃんとバターの味がする。

不思議な感じ。でも、濃厚。

 

そういえば、今日は私の40+〇年目の誕生日。

朝ごはんを外で食べるというのは、私にとってはちょっとした贅沢なんですが、今日は自分へのご褒美に許されるかな。

 

ごちそうさまでした。

財産を遺す意思表示は確実に!

気持ちを伝えるって、難しいですよね。

うまく伝わらないこともあるし、そもそも表現しなければ、相手に伝わりません。

これが恋愛なら、愛する二人であれば、「言わなくても伝わっている!」こともあるかもしれません。

実際は、そんなに都合の良いものはないと思いますが。

通常は意思表示をしなければ、自分の思いは伝わりませんよね。

 

家族の間でも、そうですよね。例えば、財産の相続です。

子どもは勝手に、「僕は長男だから家をくれるはず」とか、「私は長女で家を出てるけど、親の遺産の半分はもらえるはず」とか、期待も込めてある程度予想するものだと思います。

しかし、親の立場からすれば、自分が作った財産ですから、誰にどの割合で相続させるのかは、当然に自分で決定していいのですよね。

だから、ある程度は、親から子どもに対し、ある程度の相続の内容について、生前に話をされると思います。

 

ここで問題となるのは、口約束では、相続はその内容が実現しないことです。

意思表示の合致のみで口頭でも成立する、通常の契約とは違います。

たとえ親の音声を録音していたとしても、効力はありません。

正式に「遺言書」として書面にしておかなければ、認められないのです。

 

親は、子どもなど遺す家族の幸せを一番に考えるものですが、遺す財産の多い少ないに関わらず、上手に残さないと、トラブルになってしまっては、元も子もありません。

自分が亡くなったことが原因で、遺された家族が仲たがいとなることも少なくありませんから。

統計によると、家庭裁判所に持ち込まれた相続の割合は、遺産五千万円以下の相続が70%を超えるそうです。

この金額は、他人ごとではないですよね。

 

そのようなトラブルを避けるために、最も有効なものが「遺言書」だと。

亡くなった人が法的に意思表示できるものですから、その内容も実現されるよう法的に守ってくれます。

また、遺言書には、「附言事項」というものがありますから、遺言書を書いた人が、書いた理由、内容について自分の気持ちを書き記しておくことができます。

例えば、財産が不動産しかなく、それを今同居している長男の息子さんに遺そうと思えば、その兄弟があれば、当然に不満に思われるわけです。

そこで遺言書を書いておけば、附言事項に、「長男は跡継ぎで、近所や親戚付き合いをしてもらうので」などの理由を書いておけば、他の兄弟も、「仕方ないか」と納得しやすくなりますよね。

 

しかし、ここで留意することは、「遺留分」です。

法定相続人であれば、完全に相続する権利が無くなることを防ぐために、法的に「遺留分」が認められています。

遺留分」は、法定相続分の2分の1です。

例えば親が亡くなり、子どもが長男、次男の二人いた場合、法定相続分はそれぞれ2分の1で、遺留分はその2分の1、つまり4分の1は認められるわけです。この権利まで侵害するような遺言書を作ったとしても、当然に「遺留分」は認められますから、権利を主張することができます。

ただし、遺留分の請求は、被相続人が亡くなったことを知ったときから、1年までですので、注意してくださいね。

 

自分で作る「自筆証書遺言」では、その遺留分などが考慮されていないことも多いです。

私が「公正証書遺言」をオススメするのは、この遺留分のことも含め、遺言書を書かれる本人の意思が最も確実に実行されるよう、専門家の知識でもって考えて作るからです。

もちろん、法律によって制限されることもありますから、本人の意思が必ず100%まで反映される内容にならないこともありますが、最大限に近づける努力をしてくれます。

行政書士は、この遺言書の起案(原案作り)をしますから、文書作成の専門家として法的な問題も考慮して考えます。

この原案をもって、さらに法律の専門家である公証人によって「公正証書遺言」が作られるので、いわば二重のチェックを通ることになります。

行政書士は原案について事前にご本人からお話を聞いた上で、公証人と打ち合わせを行いますから、作る遺言書が行政書士と公証人で見解の相違が生じることもありません。

 

私もこの相続の仕事をしていると、「遺言書さえあれば」と思うような事例によく遭遇します。

遺言書があったとしても、自筆の遺言なので記載内容が法的効果を持たない内容だったために、結局トラブルにっていることもあります。

自筆の遺言には、「権利書は机の引き出し、ハンコと通帳は金庫にある」などしか書いてなくて、遺産を誰にどのように分けるのか、全く書いていない遺言もあって、遺族は肩透かしに合った、なんてこともあります。

このような遺言は、作っても無くても同じです。

 

ご家族にご自分の意思でもって、財産を遺すのであれば、ぜひ遺言を書きましょう。

しかも、その重大な意思表示は、「確実にしなければ意味がない!」、ですよ。

 

 

専門家は頼れるビジネスパートナーですから

思い込みって、ありますよね。

「きっと」、「おそらく」、「たぶん」を放っておくと、気が付いた時には、もうどうにもならない、なんてこともありますよ。

 

例えば、保険。

大丈夫ですか?老後までサポートしてくれますか?5年ごとの見直しになってませんか?

 

例えば、所有する不動産の名義。

「親がちゃんとしてくれている」と思っていると、おじいちゃんの名義のままで、顔も知らない従弟まで相続人になってた、なんてことはないですか?

 

例えば、会社が有する許可の期限。

大丈夫ですか?建設業許可であれば、毎年の事業年度が終われば「決算変更届」を提出する義務がありますが、これを怠ったままでは、5年毎の許可の更新が受けられません。

障害者総合支援法に基づく指定障害福祉 サービス事業所、介護保険法に基づく介護サービス事業所・介護保険施設などは、指定の有効期間は6年間ですよ。

公共工事や納品・役務の提供などの入札参加資格についても、有効期限は2年としていることが多いのですが、これもうっかり忘れていれば、もはや入札に参加することができなくなってしまいます。

企業や事業所にとっては、存続に関わるような致命的なダメージになりかねません。

怖いのは、これらの許可や指定の期限は、誰も連絡してくれないんですよね。

 

しかし、行政庁の許認可などの現場においても、私たち行政書士が普段から事業に関与していれば、許可の更新などで期限のお知らせは、当たり前にしています。

ここに民間と同じようなサービスを受けられるメリットがあります。

例えば民間の保険なら、車の任意保険であっても、家の火災保険であっても、保険会社はやかましいほど、「更新してくださいね」と言ってきますよね。

私たち行政書士も言いますよ。うるさいほど。

 

だって、許可が切れたら、大変ですから。

例えば建設業許可なら、新たに許可を取り直さないといけなくなるのですが、行政庁に払う手数料は一般で9万円ですし、そもそも、新規の要件では要件を満たすことが困難となっていて、もう許可が取れないこともあるかもしれません。

 

「そんなことあるの?」って、あるんですよ。

例えば、建設業許可には、「専任技術者」を必ず配置しないといけないのですが、指定されている資格を持っているなどの要件がなければ、専任技術者として認められません。

その場合は、工事現場で10年間、業務に従事した「実務経験」をもって認められる方法もあるのですが、この事実を証明しなければなりません。

結構、大変なんですよね。この証明って。

だって、今いる会社で実務の経験が10年に満たなければ、その足りない期間は、以前に努めていた会社で証明してもらわなければなりません。

以前であれば協力してくれたのに、今は古巣との関係が悪くなったので、もう無理、なんてこともあり得ます。

一度取った許可許可番号だって、今までのものを使えなくなります。

同じようなことは、社会福祉事業などでも言えるのですが、行政書士が関与している割合って、かなり低いように思います。

 

「うるさい」存在って、有難いものですよ。

だって、うるさく言わないと、マズイことが起こるかもしれないから、言うんですもん。

行政庁への義務があるのに、なんとなく凌ぎ乗り切ってしまっている経営よりも、面倒なことは専門家に任せて、その余った時間で利益を稼ぐような体制の方が、圧倒的に健全で効率的で、将来性があると思います。

 

最近、クラウドで確定申告など税理士さんにお願いせずとも自社で行えるようなサービスもあるようですが、ここで税理士さんへの報酬を無くしたことで経費削減したとしても、会計記帳と申告が適正でないばかりに税務調査が入って追徴課税、さらに重加算税なんか課せられたら、元も子もないのでは、と思います。

 

行政書士も然りです。

イメージは、「シェイクハンド」。

専門家は、頼らな損損!ですよ。

 

亀岡で生活したいと思える都市に!

今年は雪が半端ないですよね。

どこが暖冬なのか、教えて欲しいですよ。

寒いのが苦手な私にとっては、春が待ち遠しいです。

 

さて、高齢者福祉に関する地域の集いに参加してきました。

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このときも雪が舞う寒い日だったのですが、約50名ほどのご高齢の方が参加されていました。

しかも、その約9割ぐらいの方が現在、一人暮らしのご高齢の方でした。

 

事態は深刻だと思いました。

このような集いに参加できる方は、自分で行動し、日常の生活に不自由があったとしても、他に接点を持とうとされているので、今は大きな心配も不要かもしれませんが、問題は、このような場に出ようとされない、もしくは、出たくても出られない方です。

しかも、その存在は潜在的であるため、しかも、近年は個人情報保護の観点から把握が難しい状況にあります。

地域の民生委員の方は、ある程度はご存じでしょうが、おそらく外形上に留まるために、その方が実際に必要とされている支援の度合いや方法(手段)までを把握するのには、自ずと限界があります。

だって、民生委員さんは、福祉の専門家ではないですから。

しかも福祉の手を差し伸べる必要の有無を判断するには、相当に踏み込まなければ判断できませんが、ご本人がそれを望まれなければ、強制的にできるものではありません。

よってまずは、何らかの形で接点が持てなければ、何もできないことになります。

 

これが難しいんですよね。

押し付けの親切は、迷惑でしかありません。

その一方で、手を差し伸べてもらうことを、必要とされている方も、確実に必ずいらっしゃいます。

つまり、支援を行おうとする手を握り返してもらうには、こちらからの一方的な意思では成り立たないのです。

 

どうすれば必要な支援を意思表示してもらえるのか。

また、適切なところに、支援の手を差し伸べることができるのか。

例えば、傾聴ボランティアさんの活動は、そのための窓口(入口)としては、大変効果的であると思います。

無償による地道な活動でもありますから、本当に頭が下がります。

そのなかで、せっかく繋いだ手と手ですから、どのようにその方に寄り添って、必要な生活の支援をして差し上げられるかが、とても重要だと思います。

つまり、お話を聞く、悩みを聞く、希望を聞くことから、さらに一歩前に進むためのお手伝いをして差し上げたなら、その方にとって、今までとは違う生活が待っているかもしれない。

 

このお手伝いについて、行政書士としてできることはないかと、考えています。

行政手続の専門家であり、街の法律家として暮らしの相談に応じている行政書士なら、行政庁、社会福祉団体、民間事業者、他の士業者などと連携して、事態を動かせるような取り組みができる可能性があると思っています。

 

もちろんこれまでも、社会福祉協議会や地域の民生委員さん、介護ヘルパーさんなどが必要に迫られて、行政とともに何らかの最低限で必要な対応はされてきたと思いますが、事態が切迫してやむを得えない事態になるまでは、手を出せなかったのが実際だったのではないでしょうか。

これを、もし行政書士の立場と経験から、いわば予防的に生活支援の手助けができたなら、本人さんのこれからの生活を、違ったものにできるかもしれないと考えます。

どうすることもできない数歩前の段階で、一歩先に進むためのお手伝いがしたい。

これが私が社会福祉に携わる動機であり、目的です。

 

社会福祉の現場は、それぞれ専門の役割分担が重要です。

行政と民間、ボランティアの調和のとれた融合が不可欠です。

そのなかにあって、決定的に不足している分野は、法律的に実働できる存在だと感じています。

福祉のサービスを受けるため、生活を支援するための手続きをもって支援できる専門家として、行政書士には果たせる役割があると思います。

 

この考えにご賛同いただける他の士業(弁護士や司法書士、社労士、税理士など)の先生がいらっしゃれば、もっと大きな成果が期待できるのではないでしょうか。

 

亀岡が社会福祉で先進的な都市となれるよう、願っています。

みなさんも私も「亀岡愛」があるからこそ、この気持ちを大切にしたいですね。

 

 

友人という存在に、感謝です

今日は、高校時代からの友人の新築祝いに行ってきました。

それは立派な家で、友人が細部にこだわって建てた思いがとても伝わってきました。

すごいな、と思いました。

着々と、また力強く精一杯人生を過ごしていることに、とても感銘を受けました。

かっこいいと思いました。

 

人生って、一度きりなんですよね。

それをついつい忘れがちで、なんとなくその日を過ごしてはいないか、自問自答しました。

自分の人生は、自分だけのものじゃない。

家族、友人、知人ほか、関わりのある人にそれぞれ影響を与えながら、また、社会にあって人に寄り添い支え合いながら生きていることを考えると、日一日を大切にしなければいけないと思いました。

 

ちなみに、新築の御祝いには、壁掛け時計を贈りました。

幸いにも、友人のこだわった家の色調にはマッチしましたが、ややコンセプトからはズレた感じもしました。

贈り物って、難しいですね。

自己満足になりがちですから。

 

先日のテレビ番組で言われていたことで、プレゼントはなるべく、相手が欲しいと思う希望を聞いておくのが良いそうです。

そうすれば、せっかくのプレゼントが、より喜ばれ、使ってもらえる確率も高くなるそうです。

でも、気持ちを伝えるには、ある程度のサプライズも必要かと思いますし。

要は、贈る相手にも依りますよね。

こんなにも親しい友人なら、きっと喜んでくれる。

そんな存在がいることに感謝し、大切にしたい存在です。

 

気立ての良い奥様と、かわいい息子さんとともに、しかもごちそうまで用意して迎えてくれて、本当にありがとう。

そして、おめでとう。

これからもよろしくね。

 

免許なしに、「どぶろく」は作れないの?

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暖冬とか温暖化とか言われていますが、ここ数日、これほど寒いと体を温めるのに工夫が必要ですよね。

私はもっぱら、ユニクロの「極暖」インナーに、使い捨てカイロを多用して凌いでいます。

それでも、寒い!

聞くところによれば、今年は「超極暖」が発売されたそうで、これに手を出そうか思案中です。

でも、この一線を超えれば、普通のヒートテックには戻れそうにない気がします。

 

さて、冬に体を温めるものといえば、「お酒」ではないですか?

寒い夜は、燗をした日本酒で一杯、なんて方も多いと思います。

 

最近では流通の発達からご当地のお酒が手に入りやすくなり、またニーズの多様化によるブームで、呑み比べができるなど、日本酒、焼酎、ビール、ワインなど、種類や銘柄によらず、お酒の楽しみ方が増えてきていますよね。

 

また、最近ではインターネットの普及により、食事に関してはクックパッドなどで手軽にレシピが手に入る時代ですから、「お酒を自分で作りたい!」という発想を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。

実際、この日本でも昔は当たり前に、家庭で「どぶろく」を作っていた時代がありました。

 

しかし現在は、免許なしにお酒を作って(造って)はダメですよ。

「お酒(酒類)」を製造するには、「酒類製造免許」を取得する必要があるからです。

「個人で飲む」という自家消費であっても、免許なしにお酒を造ると、密造として酒税法第54条により、10年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられるとともに、製造された酒類酒母、もろみ、原料、副産物、機械、器具又は容器を所有者の如何に関わらず没収されることになっています。

どぶろくは、この「酒類」に含まれます。酒税法では「酒類」をアルコール分1度(=エチルアルコール容量で1%)以上の飲料としており、もしこれを超えるアルコール度数の飲料を免許を受けないで製造した場合には、個人による自家消費を目的とした「どぶろく」であっても、酒税法違反となります。

厳しいですよね。  

 

では、免許を取れば造れるの?ということですが、これが結構、ハードルが高いんですよ。

「個人で造って、家で楽しみたい」レベルでは、取れる免許ではありません。

 

酒類製造免許の取得要件

①法定最低製造量を上回ること

年間の製造量が、酒類の種類ごとに定められた最低製造量を上回ることが必要で、「どぶろく」については、日本の酒税法では、「雑酒」のうち、「その他の雑酒」の品目に分類されることから、1年間で6kℓ以上を製造することが必要です。

 

②人的要件を満たすこと

申請者が、酒類・アルコール関係の許可取消処分を受けたことがないこと、国税又は地方税の滞納処分を受けたことがないなど、人的に審査されます。

 

③場所的要件を満たすこと

正当な理由がないのに取締り上、不適当と認められる場所に製造場を設けようとしていないこと。

具体的には、食堂などと同一の場所でないことなど。

 

④経営基礎要件を満たすこと

免許申請者が、破産者で復権を得ていない場合のほか、その経営の基礎の薄弱であると認められる場合に該当しないこと。

具体的には、税金を滞納していないか、銀行取引停止処分を受けていないか、など。

 

酒類の製造について、必要な技術的能力を備えていること

 免許申請者は、醸造・衛生面などの知識があり、かつ、保健衛生上問題のない一定水準の品質の酒類を継続的に供給することができ、不測の事態が生じた場合に対応できる能力を有していること。

 

⑥製造場の設備が十分であること

 酒類の製造又は貯蔵等に必要な機械、器具、容器などが十分に備わっているとともに、申請醸造場の設置が工場立地法、下水道法、水質汚濁防止法食品衛生法等製造場の設備に関する法令及び地方自治体の条例に抵触していないこと。

 

以上のような要件がなければ、「酒類製造免許」を取得することはできません。

この基準において、要件が一番厳しいのは、①「法定最低製造量を上回ること」ではないでしょうか。

どぶろくの場合、「1年間で6kℓ以上を製造」しなければなりませんから。

なお、その量は鏡開きで使われる酒樽で換算すれば、一般的な一斗樽は18リットルですから、これを6kℓで計算すると一斗樽では年間333個以上、しかも継続的に作ることが求められます。

かなりの量と言えますよね。

 

でも、この要件が緩和される場合があります。

それは、お酒を造る場所が「どぶろく特区」内にあることです。

京都には現在、4地区が国家戦略特区として認定されています。

  ・酒呑童子の里大江どぶろく特区(福知山市

  ・京丹後のおいしい水と米でつくる どぶろく特区(京丹後市

  ・ふるさと舞鶴どぶろく特区(舞鶴市

  ・日本の原風景 ふるさと南丹どぶろく特区(南丹市

 

どぶろく特区」内であれば、製造免許の要件のうち、最低製造数量基準(年間の製造見込数量が6kℓに達していること)は適用しないこととされています。

それ以外の要件(上記で言えば、②~⑥)は、どぶろく特区であっても、満たさないといけません。

しかも、製造するのは「その他の醸造酒(濁酒)に限ること」です。

地ビールなどは対象外です。

 

しかも、どぶろく特区を活用するには、

  1.どぶろく特区内であること

  2.農業生産者であること(農業生産法人の組合員等を含む)

  3.酒類を自己の営業場において飲用に供する業を営む者であること

  4.「どぶろく」であること

  5.農業者である申請者が生産した米を原材料としていること

 

以上の要件等を満たすことが必要になります。

つまり、この「どぶろく特区」は、農業者が営んでいる農家民宿や農園レストランなどで「どぶろく」を提供する場合を想定しています。

個人が楽しむために規制緩和された制度ではないのです。

 

以前は、当たり前のように、農家ではどぶろくを造っていたのに、今は許されないのはなぜか?

その理由を探ると、国の施策が関係していることが見えてきます。

 

日本における酒の製造について、個人の酒造り(自家醸造)が事実上禁止されたのは、明治32年(1899年)に遡ります。

当時の国税に占める酒税の割合は3割を超えていましたから、国の税収をまかなう大きな柱でした。

この酒税による収入を維持したかったために、国は自家醸造までも禁止した経緯があります。

ちなみに現在では、国税のうち酒税が占める割合は約2%に落ち込んでいますので、自家醸造を禁止した当時の目的はすでに希薄となっています。

しかし現在においても、自家醸造を認めないとする法律(酒税法)は現存し、実際に、「どぶろく」の製造を争った最高裁の判決においても、「税収確保のために自家醸造を制限することは憲法に違反しないとして」原告の主張は退けられています。

 

興味深いのは、お酒は飲むものですから、所管は厚生労働省(保健所)かなとイメージしがちですが、「酒類製造免許」は、酒税法による「税務署の管轄」にあるということです。

個人で楽しむとしても、実質は合法にお酒を造れない現状は仕方ないとしても、それを禁止している理由が人の口に入ることによる「安全・安心」の面ではなく、国の税収を確保するのが目的というのは、少々、時代にそぐわなくなっているかと思います。

 

なお、どぶろくその他の醸造酒)の製造免許を受ける場合、登録免許税の額は、その免許1件につき15万円です。

 

また、酒税は、製造業者などが酒類をその製造場から移出したときや保税地域(外国から輸入された貨物を、税関の輸入 許可がまだの状態で関税を留保したまま置いておける場所のこと)から引き取ったときに納める税金です。

その税率は、数量による「従量課税方式」が採用されており、どぶろくその他の醸造酒)の場合は、現在は1リットル当たり140円となっています。

 

申請書類としては、以下のようなところが標準です

酒類製造免許申請書

②製造場の敷地状況

③建物等の配置図

④製造法を記したもの

⑤製造場の設備の状況

⑥事業の概要・収支の見込み・所要資金の額及び調達法

酒類の販売管理の方法

⑧誓約書(欠格事由に該当しないこと)

⑨申請者の履歴書(法人の場合は役員全員)

⑩住民票

⑪定款(法人)

⑫登記事項証明書(法人)

⑬契約書等の写し(土地・建物・設備等が賃借の場合)

地方税の納付証明書

⑮直近3事業年度の財務諸表

酒類の製造について必要な技術的能力を備えていることを示す書類

⑰土地・建物の登記事項証明書

⑱申請者の酒類製造場についての書類

 

申請に必要な書類は、地域によって異なりますので、ご留意くださいね。