さわだ行政書士事務所のブログ|京都・亀岡の相続・遺言・許認可|二足のわらじの奮闘日記

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公的書類には保存期間がある!住民票や戸籍の附票の交付請求は、死亡してから5年まで!

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戸籍の附票をご存じですか?

 

今日は、「戸籍の附票」の役割について、考えてみたいと思います。

戸籍については、よくご存じだと思いますが、その”附票”って、あまり聞き馴染みのない言葉ですよね。

「これって、一体なんなの?知らないよ」という方も多いと思います。

 

”戸籍の附票”とは、本籍地の市町村において戸籍の原本と一緒に保管されている書類のことです。

 この書類には、戸籍が作られてから(またはその戸籍に入籍してから)現在に至るまで(またはその戸籍から除籍されるまで)の住所が記録されています。

つまり、戸籍は日本人が出生してから死亡するまでの身分関係(出生・結婚・ 死亡・親族関係等)について登録して、公的に証明するものですから、附票は本人の居住地(住所)について、それを補足し証明する目的で、戸籍とともに保管されている書類と言えます。

 

戸籍の附票には、どんな役割があるの?

 

その主な目的は、住所地において、戸籍と他の証明書(住民票など)との繋がりを証明することにあると言えます。

この繋がりを証明する必要について考えるにあたり、まず、住民票と戸籍の、それぞれの役割について、簡単にご説明しますね。

 

まず住民票について、日本人であれば、国内で生れて出生届を提出すると、この場合、親の世帯に入るのが通常ですから、住民登録される住所地は親と同一になりますよね。

これにより、住民票が取得できるようになります。

その後、もし引っ越しなどで住所を移転すれば、新しい住所地で住み始めてから14日以内に、その住所地を管轄する市区町村において転入の届書を提出し、その地で住民登録をしなければなりません。

これを怠ると、最大で5万円の過料を科されることがありますので、気を付けてくださいね。

住民票は、現在登録されている住所地(その地を管轄する市区町村役場)にて発行されます。

 

一方、戸籍については、日本人であれば、国内で生まれたなら、親の戸籍に入る(入籍する)ものです。

戸籍が存在するということは、そこには本籍地が定めてありますから、親の本籍地=生まれた時の自分の本籍地ということになります。

そして、もし引っ越しをして住所が変わったとしても、本籍地はそれに伴って変わるものではありません。

 

本籍地が変わる場合は、戸籍に変動が生じる場合です。

例えば、結婚により戸籍が新たに編製されるのなら、ご本人さん(新郎新婦)の意向により、そのスウィートホームの住所地とされることも多いと思います。

もしくは、親の本籍地と同じ住所にされることもあると思います。

なにしろ、本籍地は国内であれば、どこに定めてもいいのです。

本籍地を皇居に置くこともできますし、野球が好きなら甲子園球場にだって本籍地を定めることができます。自由です。

ただし、戸籍は本籍地のある市区町村で保管されることになりますから、ご注意くださいね。

 

引っ越しなどで、住民票と本籍地の住所がずれていく

 

遠くの大学への入学、就職や結婚などの引っ越しにより、住民票を移動させたなら、本籍地と住所地が一致しないという事態が生じます。

 

そんな場合であっても、基本的に、本人確認書類って住民票ですよね。

その住民票に記載されている本人と、戸籍に記載されている人物が同一であるという証拠が必要な場合に、証明書にそれぞれ記載されている住所地が違うと、さあ困ったという事態が生じます。

そんなときに”戸籍の附票”の登場となるのです。

だって、住民票には、以前の住所は記載されたとしても、それ以前には遡れませんから。

 

一方、戸籍の附票には、出生から現在までの間に、住所移転(転居)された履歴が漏れなく記載されます。

もちろん、引っ越し(住所移転)の際に、役所に正式な手続きをしておいた事実のみですので、ご注意ください。

 

正式な手続きとは、

  • 住んでいた市区町村に「転出届」を提出する
  • 引っ越し先の市区町村に「転入届」を提出する

これをしなければ、住民票が移動しません。

 

よって、大学時代に親元を離れて都会で一人暮らしをしていたけど、住民票はそのままだった場合などは、届出ができていないので、もちろん戸籍の附票には記載(登録)されません。

大学時代の間に、住民票が親元にあったままの場合、例えば選挙や運転免許、保険関係などの公的書類は実家に届きますので、その手続きの不便さも考えると、住所(居所)が変わると原則通りに住民票も移しておくことが大切だと思いますよ。

 

戸籍の附票が実際に必要となるのは、どんな場合なの?

 

では具体的に考えていきましょう。

それはやはり、公的な手続きをする時です。

例えば、車を購入したり売却したりする時の、名義変更です。

車の名義変更には、必ず本人の意思を証明するために、印鑑証明書が必要になりますが、基本的に印鑑証明書は住民票の住所地と一致しています。

その印鑑登録書に記載されている住所地に対して、引っ越しなどされていると、車検証に記載されている所有者の住所地が一致しない場合があります。

その場合には、戸籍の附票を取得して、住所の遍歴を明らかにすることで、車検書の所有者が印鑑証明書の人物、つまり本人であることを証明します。

 

また、相続の手続きにおいても、戸籍の附票が必要になる場合があります。

相続には、不動産が含まれることが多いのですが、その所有権を移す(移転する)登記手続きにおいて、戸籍が必要となります。

不動産の相続手続きの場合には、亡くなられた方の最後の住所地、つまり住民票(除票)に記載された住所地と、登記簿上の住所地が一致しない場合には、その人物(所有者)が同一であるか分からないので、附票(場合によっては改製原附票も必要)などで確認します。

一方、相続する側についても、印鑑証明書に記載されている人物と戸籍に記載されている相続人が一致していることを、戸籍(原戸籍)と住民票などだけで証明できなければ、附票に記載されている住所遍歴等を確認(添付)することによって証明をする場合もあります。

なお、登記に限らず、その他の手続きにおいても、戸籍の附票を用いなくても、その他の証明で足りる場合もあります。

これは、自動車の相続などにおいても同様です。

 

公的書類の保存期間にご注意を!

 

実は、「公的な書類には、保存期間がある(場合がある)」のです。

住民票(除票)と戸籍の附票(除附票)の場合は、亡くなられてからの保存期間は5年ですから、この期間を経過すると、発行(請求)することができません。

仮に、例えば親が死亡して相続が発生している場合、その手続きを放置してしまい5年が経過すると、その死亡した人の住民票(除票)と戸籍の附票(除附票)を取得することができなくなり、関係性が立証できないことで、手続きがストップすることがあります。

この場合には、戸籍の附票について交付できないことの証明書の発行をしてもらうなどで、”証明できないことの証明”をして、さらには上申書や理由書等の添付により認められることもありますが、場合によっては、手続きそのものが出来なくなる事態も有り得ます。

 

なお、戸籍の附票について交付できないことの証明書は発行できても、住民票(除票)について交付できないことの証明書の発行はできない自治体がありますので、ご注意ください。

この場合における住民票(除票)がダメな理由は、保存期間である5年を過ぎてしまえば、その死亡した人が、その住所地に住民登録していた証拠がなく、記録もない(破棄された)からです。

一方、戸籍(除籍)には保存期間がありませんから、確かに戸籍上において死亡した人の存在は確認できますから、附票については発行できない、だから”発行できない証明書”が交付できるのだとする理由において、整合性に矛盾はありません。

 

手続きはお早めに!

 

ケースにもよりますが、「権利者であることの証明が難しかったところ、戸籍の附票があったので、助かった」ということもあります。

証明書が必要な手続きにおいて、いざという時には時間が経過していたために、すでに取得が不可能となっていることがあります。

「もっと早く手続きをしておくべきだった」と、今更後悔しても遅いということになっちゃいますね。

 

それを避けるためにも、手続きはお早めに、ですね。