さわだ行政書士事務所のブログ 二足のわらじの奮闘日記

京都府亀岡市にある「さわだ書店」と「さわだ行政書士事務所」。書店をしながら行政書士も頑張っています。

車は車検の有効期限を過ぎれば相続できない!?

行政書士澤田直哉です。

今日は車を相続する話をします。

 

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車も財産ですから、土地や建物の不動産と同様、相続が発生します。

例えば自分のお父さんが亡くなられたとして、お母さんとの3人家族なら、亡くなられた時点で、父が所有されている車は、母と自分の共有になります。

つまり、車の状態にかかわらず、自動的に相続されます。

問題は、名義です。

相続が発生した時点では車検証の名義は所有者であったお父さんのお名前のままですから、名義変更をしなければ売ったりすることもできません。

しかも、相続手続きをするのは、「所有者の変更事由のあったときから15日以内」ですから、結構厳しいですよね。

ほとんどの人は、名義変更の手続きを購入したディーラーさんや、お世話になっている車屋さんにお願いされると思いますので、難しい問題と感じられる方は少ないと思います。

 

でも、例えばものすごく古い車であったり、車検が切れている車ならどうでしょう。

 

車屋さんにしても手間がかかるだけで、名義変更だけの依頼は断るかもしれません。

これは実際にありえることで、車の業者によっては、「相続手続きだけは済ませておいて」と言われることがあります。

しかも、車検が切れていたら、どうでしょうか。

今回は、この事例で考えてみましょう。

 

このときに知っておくべきことは、原則的に「普通自動車の場合、車検の有効期限内でなければ、名義変更はできない」ということです。

軽自動車には当てはまらないのでご注意ください。

これは相続も売買(譲渡)の場合も同じです。

車検を通してからでなければ、名義変更ができないのですが、もしすでに車を使用しておらず、敷地内にとりあえず置いていただけで、今後も乗るつもりがないのなら、これって負担ですよね。

お父さんが長期入院されている間に、車検が切れてしまうこともありそうです。

できるなら、車検を受けずにお金を掛けずに処分してしまいたいと思われることでしょう。

そんなとき、相続による名義変更と同時に廃車にするのなら、車検が切れていても可能です。これを移転抹消と言います。

また、廃車には、「一時抹消登録」と「永久抹消登録」の2種類があることを覚えておくといいですよ。

「永久抹消登録」は解体する場合で、今後再登録して使用することはできません。

一方、「一時抹消登録」の手続きなら、車検を受けたうえで中古車による再登録の手続きをすれば、再び使用することができます。

この場合、一時抹消登録の手続きをすることで、「登録識別情報等通知書(一時抹消証明書)」という証明書を受け取ります。

この証明書は再度発行されません。

永久抹消登録をした際には発行されません。ご注意ください。

永久抹消した場合には、その車の自賠責保険を解約したり、自動車任意保険の 「 ノンフリート等級 」 を引き継ぐときに必要な「登録事項等証明書」を、発行手続きをすることで受けることができます。

 

なお、抹消登録では新たなナンバーの発行は必要ないので、陸運支局に車を持ち込む必要はありません。

一時も永久も抹消登録をする際には、ナンバープレートは車から外して、手続きの時に返却することになります。

手続きをする陸運支局については、移転抹消の手続きは新しい所有者に名義を移転登録したのと同時に抹消登録することになるので、変更した名義人の住所を管轄する運輸支局ですることになります。

 

また、手続きの同日には、税金について運輸支局の場内にある自動車税事務所などの税の申告窓口に、自動車税自動車取得税申告書と車検証を提出して申請します。

自動車税は廃車の場合は支払った年度の月割で還付があります。

 

自動車取得税は「抹消登録」には関係ありませんが、譲渡などの「移転登録」の際には税金がかかることがありますので納税します。

ちなみに相続の場合による取得は非課税です。また、平成30年3月31日までは、自動車取得税は車の取得価額が50万円以下であれば課税されません。

なお、「所得価額」とは、実際に購入した値段ではなく、あらかじめ定められた基準により算出されるので、注意が必要です。

 

自動車重量税は車を適正に解体することで還付される制度になっていますので、永久抹消登録と同時に還付申請することが前提であり、一時抹消登録では還付の対象にはなりません。

 

自動車保険に関しては、廃車をする場合であれば、自賠責保険は有効期限まで1ヵ月以上あれば、手続きを行えば還付が受けられます。

任意保険は契約に基づき、解約することで残存期間に応じた返戻金があります。

 

今回の事例では、相続による名義変更が最大の目的ですから、相続による一時抹消登録を完了させてしまえば、あとは車屋さんが車検を通して売却するなり、廃車にするなり行ってくれると思います。

ただし、ナンバープレートもなく公道を走れない状態の車ですから、

①車屋さんに車を取りに来てもらう

自賠責保険を有効にする+仮ナンバーを取得する

等の方法にて車を移動させることは考えないといけません。

 

 

車検の有効期限は、新車で3年、それ以後は2年です。

車検が切れていれば公道で走れないことは誰でもご存知だと思いますが、普通車の場合、その有効期限でなければ、所有者の変更もできないのは、意外なところですよね。

 

車を売り買いする際にディーラーさんなどから請求される「手数料」の項目の内訳は、業者さんが代わりに行ってくれている結構面倒な作業代金なのです。

そう思うと、そこそこな代金も納得ですね。

 

「納車費用」は、なんで?と思いますけど。