さわだ行政書士事務所のブログ 二足のわらじの奮闘日記

京都府亀岡市にある「さわだ書店」と「さわだ行政書士事務所」。書店をしながら行政書士も頑張っています。

夫と別れても、舅・姑の面倒を見るのは義務!?

今日は、「親族」について、考えます。

親族とは法律上は、6親等内の「血族」と、3親等内の「姻族」のことを指します。

 

ご存じの通り、「血族」とは、血縁関係にある人のことを言いますが、いわゆる血の繋がりだけでなく、例えば養子縁組をした場合も、その親子は「血族」となります。

 

一方、「姻族」とは、婚姻により一方の配偶者と、他方の配偶者との関係のことを言います。

つまり、日本では結婚することにより、これまでの自分の「血族」に、相手方(配偶者)の血族が「姻族」として加わるので、親族(いわゆる親戚)が増えることになるのです。

 

では、質問です。

離婚すれば、姻族との関係は、自動的に解消されるでしょうか?

 

答えは、「そのとおり!」です。

そりゃそうですよね。

何らかの原因があって、離婚が成立したのですから、その後も離婚した相手の親戚との関係が残るのは、おかしいですよね。

 

では、死別の場合はどうですか?

死亡した結婚相手(配偶者)の血族との関係は、自動的に解消されるでしょうか?

答えは「ノー」。です。

 

死別の場合は、「姻族関係終了届」を住所地の市区町村に出さなければ、結婚相手(配偶者)の血族との関係は、その後も続くことになります。

 

それでは、さらに質問です。

結婚相手(配偶者)を亡くした人が、「姻族関係終了届」を提出しないままに、誰か他の人と再婚したら、姻族関係は、どうなりますか?

 

答えは、「姻族関係が、さらに増える」です。

この事態が繰り返されることは、実際には、あまりありませんよね。

だって、再婚する相手の人が、ことごとく死亡していくとしたら、以前にニュースを賑わした事件であったり、映画「後妻業の女」にあったような恐ろしい事件も脳裏によぎります。

でも、法律に限って言えば、有り得る事態です。

 

ちなみに、姻族関係が増え続けたとしても、血縁に関係はないので、相続には影響を与えません。

 

ここで何が問題となるか考えると、「扶養義務」でしょうか。

直系血族と兄弟姉妹は互いに扶養義務を負います(民法877条1項)。

でも「姻族関係終了届」を出さないということは、例えば舅・姑との関係が残ったとしても、扶養義務が発生するとして民法に定める「直系血族」には当たらないですよね。

 

「じゃあ、大丈夫じゃん!」と思われるかもしれません。

しかしです。

民法877条2項において、「家庭裁判所は、特別の事情があるときは、3親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる」としています。

本人と、舅・姑との関係は、これに該当するのです。

姻族の親等は配偶者を基準にするので、舅・姑は1親等になります。

 

もちろん、「特別の事情」は、よほどの事情があることが必要とされるので、家庭裁判所は慎重に判断します。

でも、姻族関係が継続している限り、死別した相手の親を扶養する義務を求められる可能性はゼロではないということです。

「家制度」の時代は当然として、今でも配偶者の死後も舅・姑の面倒を見ること(扶養すること)は道義上で当たり前と言われれば、そんな感じもしますが、時代は変わりました。

少なくとも、強制されるものではないと思います。

 

と言いましても、私が「姻族関係は終了しましょうね」と言っているのではありませんよ。

あくまで、可能性として、有り得るというお話でした。

 

要は、血縁による関係でもなく、法律上の関係でもなく、当事者間の気持ちが大事ですよね。