さわだ行政書士事務所のブログ 二足のわらじの奮闘日記

京都府亀岡市にある「さわだ書店」と「さわだ行政書士事務所」。書店をしながら行政書士も頑張っています。

出生届などの届書は、市区町村で保管されないの?

今日は「届書」についてお話します。

届書とは、みなさんが生まれたときには「出生届」、結婚したときには「婚姻届」、離婚したときには「離婚届」、死亡したときには「死亡届」など、市区町村役場に提出する自身の身分に関する書類です。

自分で出すのは、「結婚届」と、場合によっては「離婚届」くらいなものですから、あまり目にすることもありませんよね。

 

では、質問です。提出された「届書」は、どこで保管されるでしょうか?

提出した市区町村役場で、保管されると思いますか?

 

 

答えは、NO!です。

「届書」は、提出されてから約1ヵ月程度で、その地域を管轄する「法務局」に送られます。

なので、提出から1ヵ月ほど経過していたとすれば、何らなの特別な事情から届書を閲覧したいとしても、もはや市区町村にはありません。

ただし、例外があります。

それは、「外国人」です。

外国人は、提出された市区町村役場にて保管され続けます。

例え、その後に転居したとしても、提出された市区町村役場から移送されることはありません。

 

では、なんで外国人は届書が法務局に送られないの?ということが疑問になってきます。

その理由は、外国人には日本国籍がない、すなわち、「日本での戸籍がない」からです。

日本人であれば通常は戸籍がありますよね。

その自分の戸籍を、じっくりと見たことはありますか?

戸籍は個人情報の固まりですから、自分の出生年月日、住所、本籍はもちろん、親と兄弟の情報まで、書かれています。

戸籍から抜けた兄弟姉妹などは、「原戸籍」という、現在の前の戸籍を遡ることで、記載されています。

これらの戸籍を時系列に繋ぎ合わせることで、相続の場合などで、相続人を確定していく、その証明書になるわけです。

 

でも、外国人には日本での戸籍はありません。

ということは、住所地として登録している外国人の方の情報は、「届書」で把握する必要があるのです。

だって、住民票には出生日(生年月日)は記載されていても、婚姻関係や親子関係などは記載されませんよね。

 

 

では、質問です。

男女ともに外国人(外国籍)の男女が結婚した場合、「婚姻届書」は、どこで保管されるでしょうか?

 

 

正解は、夫婦で住む住所地として定めた市区町村役場です。

理由は、日本での戸籍がないから、です。

なお、夫婦となる者のうち、どちらかが日本国籍なら、法務局で保管されます。

理由は、夫婦のうち、日本国籍を有する者は戸籍に入っているので、その戸籍には婚姻相手の情報が載ることになるから、です。

これで市区町村役場は婚姻の事実を把握できるのです。

 

 

では、またまた質問です。

両親のうち、一人(父)は外国籍、もう一人(母)は日本国籍の夫婦から生まれた子どもの「出生届」は、どこに保管されますか?

 

 

 

正解は、法務局です。

なぜなら、母親が日本人であれば、その母親を筆頭者とする戸籍があって、そのなかに子どもは入るからです。もちろん、子どもは日本国籍となります。

子どもが親の戸籍に入ること、これも「入籍」と言います。

入籍と言えば、結婚のイメージが強いですけどね。

 

こうしてみると、戸籍って、便利な制度だと思いませんか?

でも、戸籍制度を採用しているのは、日本と韓国と台湾だけです。

その理由は、「家族」を大切に、その繋がりを単位としたからです。

 

例えばドイツも戸籍制度に似た登録制度がありますが、「筆頭者」という概念がありません。

筆頭者とは、戸籍の代表者ですよね。

要は、家族の代表を定めるのが、戸籍制度です。

個人単位で登録する国としては、スウェーデン、オランダなどがあります。

アメリカのなどでは出生、婚姻、死亡など事件ごとに管理する国もあります。

また、これらを併用して国民の情報を管理している国もあります。

 

私たちが当たり前のように思っている戸籍制度も、他の国からすれば、極めて珍しい制度なのですね。