さわだ行政書士事務所のブログ|京都・亀岡の相続・遺言・許認可|二足のわらじの奮闘日記

「さわだ行政書士事務所」と「さわだ書店」。京都府亀岡市で行政書士をしながら書店業も頑張っています。

特別養子縁組という制度があります 里親になるという選択肢

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親子関係を解消する方法

 

さて、先日のブログにおいて、「今の法律で、親子関係を解消する方法なんて、ありませんから」と書きました。

 

しかし、私が知る限り、唯一、親子関係の解消を法律が認めている方法があります。

それは、「特別養子縁組」です。

 

 

養子縁組の種類

 

養子縁組には、「特別」と「普通」の2種類があります。

ちょっと話は脱線しますが、養子の代名詞のように言われる「マスオ」さんは、サザエさんの登場人物ですが、実際は彼は養子ではありません。

だって、本名は「フグ田マスオ」さんですよね。

彼は、妻の実家で生活していますが、父である波平の姓は磯野ですから、養子縁組はしていないと考えられます。

養子縁組をすると通常は、養親の名字に変更しなければなりませんから。

 

普通養子縁組

 

 

「普通養子縁組」は、例えば男性が結婚して妻の家の後継ぎとするために、妻の父と養子縁組をするときなどです。

 この場合、「普通養子縁組」は、実親との親子関係は維持されたまま、養親との親子関係が新たに生まれます。

よって、相続が発生した場合には、養子は実親と養親の両方の相続人となります。

相続対策にも、普通養子縁組はよく使われます。

相続人の数が増えれば、その分だけ控除額が増えますから。

ただし、税の問題に限って言えば、養子としてカウントできる人数に制限があるますのでご注意を。

 

「特別養子縁組」

 

特別養子縁組とは、実親との関係は断絶し、養親が法律上の実親となることです。

 これにより、実親の戸籍から、その子の名前は削除され、記載されなくなります。

法律上も戸籍上も名実ともに、養子縁組をする親が、実の親ということになるのです。

養子縁組する親の戸籍には、実の子どもと同様の「子」として記載されますから、この場合「養子」という文字が記載されないことも、普通養子縁組との大きな違いです。

戸籍は一見して、養子であることが全く分からない記載となるのです。

特別養子縁組の特徴として、相続が発生した場合でも、血の繋がりのある親の相続人には、もちろん、なりません。

元々の親子関係は、すでに存在しないからです。

 

文字通りの「特別」措置なのです。

養子になるには、「特別養子縁組」の場合には家庭裁判所の許可が必要となります。

なお、普通養子縁組であっても未成年者の場合には家庭裁判所の許可が必要( ただし自己又は配偶者の直系卑属(子や孫等)を養子とする場合は,家庭裁判所の許可は不要)です。

 

制度の目的

 

 

そもそも「特別養子縁組」の制度は、事情により実親が養育できない場合を想定して規定されています。

 

そのために、養子となれるのは現在のところ6歳未満であるなど、認める要件が厳しくなっています。

 

だから、自分の意思や親の勝手な理由で、「戸籍上も縁を切る」ようなことは、「特別養子縁組」の制度の趣旨に沿わないために、認められません。

親となる候補者にしても、児童相談所や家庭裁判所等による厳密な審査がありますから、この制度はあくまで、子どもの福祉のためにあると言えます。

よって、子どもが欲しいから特別養子縁組を希望するという発想も、そもそも制度の趣旨と違います。

 

これは「子どものため」の制度だということを、忘れてはいけないのです。

 

養子縁組を希望するのであれば、その親が望むべきは、子どもが笑顔で過ごせる家庭を築くことであって、そこに幸せを求めることが、本来あるべき大切なことなのではないでしょうか。

 

最近、行政庁の窓口で、予期せぬ妊娠に悩む女性に向けたサポートの相談窓口の案内を見ることがあります。

予期せぬ妊娠SOS | 千葉県佐倉市公式ウェブサイト

 

 

特別養子縁組は、尊い生命を守る制度でもあります。

その通りだと思います。決して一人で悩まないで欲しいと思います。

相談すれば、その子も母親も幸せになれる解決策は、必ずあるはずです。

しかし、この制度の利用は500件ほどに留まっているとのことで、まだまだ普及に努める必要があります。

この制度が、もっと広く知られ活用されることで、一人でも多くの子どもが、温かな家庭で健やかに育ってくれる社会となることを願います。