さわだ行政書士事務所のブログ|京都・亀岡の相続・遺言・許認可|二足のわらじの奮闘日記

「さわだ行政書士事務所」と「さわだ書店」。京都府亀岡市で行政書士をしながら書店業も頑張っています。

災害で家の前の道に被害が発生! 私道負担の責任とは?

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公衆用道路について

 皆さんの家は必ず、道路に面しています。

それは、建築基準法によって、必ず道路に接していなければ、家を建てることはできないからです。

 

「私の家、道路に面してないよ。道路と家の間には、お隣さんの家が建ってるよ。」とおっしゃる人でも、必ず道路と接しています。

ポイントは、道路に「接して」です。

建築基準法では、第43条の規定により、建築物の敷地と道路が、幅2メートル以上の部分で接していなければなりません。

道路と直接面していなくても、そこに通じる通路(接道)は、必ずあるはずです。

そうでないと、買い物にも出れませんから。

ただし、その接道は、自分で所有する必要は無く、通行権というものでも利用できることが確保されていればいいのです。

 

ということは、道路って公共物なんじゃないの?という疑問が生れます。

そうなんです。

 

家の前の道路が私有地(しかも自分)ってことも、当然あります。

 

 

以前にニュースで、「この道路はワシの道じゃ!通さんぞ!」と主張して通行の妨げをして逮捕された人がいました。

あの人の主張では、「土地の所有者は自分なので、市民の通行を拒む権利がある」というものでした。

実際は登記簿を見ても、近所の方との共有だったので、あの主張も的外れなものですが、「私道の通行権」の問題を巡って話題になりました。

仮に、あの逮捕された人(逮捕理由は通行人への傷害罪)が、家の前の道を所有していたのなら、どうだったのでしょうか?

答えは、それでも市民の通行を拒むことはできません。

その理由は、一般の人が通る道は、たとえ個人所有であっても、「公衆用道路」として公に供しなければならないことが、法律で決まっているからです。

 

つまり、自分の土地でありながら、その道路は所有権を根拠には自分の権利が主張できないのです。

 

 

これって、何だかおかしな気がしませんか?

でも、仕方のないことでもあります。

だって、住宅地には、四方八方に道路がありますよね。

しかも、高度成長期から今日まで、どんどん造成されて家が立ち、そこには道ができましたよね。

この数多ある道の全てを、国や自治体が買い上げて全て管理することなんて、不可能です。

そのために、建築基準法その他の法令に適合させるために、不動産会社は道を作り、家を建てたのです。

 

 

宅地が造成される過程について

 

 まず、宅地となる範囲の土地を、不動産会社が買い上げます。

そして区画し、道を設置し、家を建てます。

建てた家を売って収益とするのですが、土地と家だけ売っていたのでは、最終的に道の部分が、不動産会社に残ることになります。

不動産会社としては、道を所有していても仕方ないので、分譲地に付けて買主に売ります。

そのために分譲地の家を購入されたときには、家の前面の道路も一緒に購入されていることが多いと思います。

 

中古で家を買う時が問題に

 売主とすれば、当然ながら家の前面道路(私道部分)も一緒に売ろうとしますよね。

だって、私道部分だけ所有していても、負担しかありませんから(理由は後述)。

一方、買主とすれば、不動産会社の仲介で家探すことになるのですが、ここで注意点です。

 

不動産会社の物件情報には、私道部分も含めて敷地面積としている表示が多く見られます。

 

もちろん、親切な不動産会社は、「私道部分を含む」とか、私道の面積は別途書いてあるところもあります。

 

私の経験上、不動産会社は私道に関しては、あまり積極的に説明をしてくれません。

やっぱり扱いがやっかいだと思って、後出しにしたいんでしょうか(契約前に伝える程度?)。

 

 

できれば私道の所有者であることは避けたい

 

私道の有無って、結構重要なんですよ。

 私道は権利を主張できないと言いましたが、逆に義務は残りませんか?

たとえば、災害で道路部分が痛んだりしたら、当然ながら自治体が管理をしている道路なら補修してくれるのですが、でも、近所の方からすれば、「あんた所有者やん。なんとかして」と言われませんか?

確かに私道は、公共の用に供されているので、固定資産税などの税金面での負担は免除されています。

でも、所有者が亡くなれば相続も発生します。

その手続きも必要になります(ただし、登録免許税は非課税)。

権利を主張できないのに、中途半端に義務だけ残るのなら、いっそ手放したくなりますよね。

 

 

しかし、自治体は簡単には引き取ってくれません。

 寄付するし、と言っても同じこと。

寄付は最低条件です。

寄付してもらうためにも自治体の基準を満たさなけれなりません。

なぜ、自治体は寄付なのに嫌がるのか、その理由は、税金で管理をしなければならなくなるからです。

じゃあやっぱり、維持管理費は個人負担の可能性がありますよね。

道の修復のため外構工事をしてアスファルトを敷くのに、負担すればどれくらいの金額なのか、想像がつきません。

個人のレベルを超えてますよね。

 

自治体によりますが、寄付により私道を公道に変えてもらうための一般的な条件は、下記となります。

○一般の通行に利用されていること

○私道の両端もしくは片端が、公道に面していること

○通り抜けが出来ること

○寄付する道路に権利(抵当権)などがないこと

 

結構ハードルが高くないですか?

つまり、お隣さんに家がある場合、その家の前も私道であるなら、公道に通じるまでの家のご近所さんみんなで、一体となって協力して行動を起こす必要があります。

 

 

しかも、寄付するのに、これには申請手続きがいるんですよ。

 寄付が許可されるための申請って、なんか不思議ですよね。

自治体への申請なので、これも行政書士業務に該当するのでしょうけど、こんなの私はやったことがありません。

 

 

分譲地で新築を購入する場合は、私道負担もやむなしですが、中古物件を購入される際には、どうぞご注意ください。

 せめて、所有権は自分になっても、管理は自治体が行っている道路か否かは、必ず確認するべきですよ。

中古なら物件の状態も気になりますが、それと同じ年月分、前面の道路も老朽化しているかも。

家を購入してから、通行人に「危ないから道路のボコボコを直して!」と言われて行政に連絡しても、「私道ですよね?」と言われて取り合ってもらえない可能性もあるかと。

これを自己負担は、嫌ですよね。

 

 

やっぱり重要なのは、登記簿です。 synce-office.hatenablog.com

しかし、住宅の敷地と私道は一緒に登記されていないことがほとんどです。

家の不動産に、問題のある記載がないかとともに、全面道路の登記簿も、必ず見て確認しましょう。