さわだ行政書士事務所のブログ|京都・亀岡の相続・遺言・許認可|二足のわらじの奮闘日記

「さわだ行政書士事務所」と「さわだ書店」。京都府亀岡市で行政書士をしながら書店業も頑張っています。

兄弟の仲が悪いと相続手続きは、もうダメかも!?子どものために、親は遺言書を!

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兄弟が仲良いとは限らない!?

 「困ったときは兄弟は助け合いながら、生きてゆくのよ!」

親から、私もよく言われましたよ。

 

これって、仲が良いことが前提ですよね。

でもね残念ながら、人知れず仲が悪いというご兄弟は、案外たくさんいらっしゃいます。

私の仕事柄、よく目にするだけかもしれませんが、例えこれまでは仲が良くても、いざ相続となれば、人が変わったように、お互い感情むき出しになられてしまう、そんなご家族もいらっしゃいます。

このような場合は、すでに紛争が生じている状況なので、すぐに弁護士の先生をご紹介するほかありません。

 

どこかの遠い世界の物語ではないのです

 

案外、身近に結構あったりして。

なにしろ、ある統計では、相続トラブルの約7割が遺産総額5000万円以下の場合に起っています。

兄弟や親族で、骨肉の争いは、どうにかして避けたいものですね。

 

私の事務所は亀岡市にありますから、お世辞にも都会とは言えない地域性があります。

長男は生まれながらにして「跡取り」として育てられ、先祖代々の土地を守って行く使命を、もれなく拝命します(そういう地域において、ですよ)。

実は私もそうです。

 

しかし、時代は変わっています

 

多くの人が、今までは口に出しにくかったようなことであっても、自分の持つ当然の権利として主張できる世の中になってきました。

これは相続の場面においても同様です。

これまでは、長男が遺産の全てを取得して、家の跡を取るのが当たり前とされ、そのほかの兄弟は、遺産をもらわないことが、社会通念のようになっていました。

(ちなみに、財産を貰わないことと相続放棄は違いますよ

 

ところが、今は違います。

法律でも定められている通り、長男であっても関係なく、兄弟姉妹の法定相続分は同じ割合で権利を有していますから、その権利を主張することは、当たり前の世の中になりました。

これは良いことなのだと思います。

 

でも親の世代の感覚は、昔のまま!?

 一方、財産を後世に譲る側、つまり親の世代は、どのように思っているでしょうか?

未だに、家は長男である跡継ぎが面倒をみるもので、それが当然だという考えを、多くの年配の方が、根強くお持ちのように思います。

 

ここにギャップがあるのです。

もし日本の、古き良き?時代の感覚を持ってらっしゃる親が、お亡くなりになったとすれば、当然に跡取りが相続することに、生前には何の疑問もお持ちではなかったでしょう。

しかし現代においては、先祖代々の土地等の財産は、当然には、跡取りに相続されるとは限らない事態が起こりますよね。

他の相続人が黙っていないことが、往々にしてあり得ます。

 

相続の発生は、待ってくれません

 相続は、財産を有する人(被相続人)が死亡したとき、その瞬間に開始します。

つまり、例えば父親が自分の名義のままで死亡されたなら、その瞬間に、その財産は相続人の共有名義となります。

この共有状態を解消するために必要なのが「遺産分割協議」ですから、相続人の全員が同意して、それを証する書面(遺産分割協議書)に署名と押印(実印)をして、さらに、印鑑証明書を添付しなければ、特定の人物の単独所有とすることは原則としてできません。

 

つまり、この相続人のうち、誰か一人でも反対すれば、もう単独名義にはできなくなります。

よくあるケースは、兄弟から同意を得られない場合です。

子どもの頃は仲良かったとしても、それぞれ結婚すると、それぞれに配偶者が存在することになります。

親族とは言え配偶者は、いわば他人ですよね。

遺産分割協議に配偶者が入ることはあり得ないのですが、相続人は当然ながら、配偶者の意見を無視できないでしょうから、間接的に影響を及ぼすことが必然となります。

首を突っ込む登場人物も増えてくるわけで、相続人の間で意見がピッタリ一致することは、指南の技となりがちです。

 

だって、仕方ないですよ、財産(お金)が絡んでますもん。

しかも、利害関係人同士での協議は利益が相反するわけで、どっちか得すれば、どっちかが我慢する、涙を呑むことになります。

その綱引きが始まることは、人間なのですからやむを得ない、当たり前と考える方が、自然のようにも思えます。

欲深いというよりも、生きていくための本能といいますか、性のようにも思います。

 

この争いを避けるには、財産を譲る側、つまり親の世代が積極的に準備するほかありません。

考えられる方法は、2つあります。

  1. 跡を継ぐ子に、財産を生前贈与する
  2. 遺言書を書く

”1”は、贈与税のことや、不動産の場合は固定資産税を誰が負担するかなどを考慮する必要があります。

生前に名義変更する必要がないのであれば、相続まで待つ方が、一般的に税制の面では有利になると考えられます(例外はありますが)。

ということは、”2”の遺言書を書いておくことが、やっぱり有効なのだと思います。

 

具体例で考えてみましょう

 南丹市や亀岡市などの地方において、先祖代々の土地があって、そこに住んでいるとします。

例えば兄と妹の二人兄弟であったとして、男の子だったという理由だけで、その兄が今も両親と同居して地元の付き合いなども一手に行っていたとします。

一方、妹は自由奔放で都会で暮らしていたとして、たまに自宅を訪れては、親にお金を無心するような姿を見ていたとすれば、兄はどのように思いますか?

親には先祖代々の家と土地、田や畑、山などはあるが、現預金はわずかだったなら、息子(兄)からすれば将来に不安しかなくないですか?

地方の田や畑は、耕作しないのであれば、固定資産税などが負担となるだけのケースが多くあります。

ということは、資産価値がそこそこ付くのであれば、妹が法定相続分通り、兄と同じ権利を主張することで、兄は不動産を取得するには、その代償として、現金を妹に支払う必要があります。

これが法律的には兄妹が平等だということですが、兄は負担(重荷)しかなくないですか?

先祖代々の土地を守り、地元の付き合いなどをしていくのが、男の子として生まれた使命だとしても、自分の預貯金から妹にお金を払ってまで、先祖代々のため相続をすることは、本当に平等なんでしょうかね?

妹は、兄からの現金を貰えれば、さらに自由奔放な生活をエンジョイできるかもしれませんから。

生まれた順番や性別で運命が決まるという現実を、「仕方ない」という言葉で済まされるのは、酷ですよ。

 

これはもう、親が考えて避けてあげるべき問題だと思います。

息子には、家を継いでもらう、その代わりに財産を取得させる。

娘には、そのような負担を負わない代わりに、財産の分配には理解をしてもらう。

そのようなことができるとすれば、親が書く「遺言書」です。

 

遺言書って、子どもの立場から親に、「書いて」って、言いにくいものなんです。

年齢に関係なく、少なくとも50歳~60歳を迎えたなら、早い目に遺言書を書いておくことをお勧めします。

もちろん、公正証書遺言が、ベストですよ。

 

お子さんのために、ぜひ遺言書を書きましょう! 

 備えあれば、憂いなし。

家族円満のためにも、遺言書!ですよ。