さわだ行政書士事務所のブログ|京都・亀岡の相続・遺言・許認可|二足のわらじの奮闘日記

「さわだ行政書士事務所」と「さわだ書店」。京都府亀岡市で行政書士をしながら書店業も頑張っています。

その遺産分割協議書で預貯金が解約できますか?相続に潜む注意点を解説!

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遺産分割協議書の書き方にご注意を!

 

 

相続による遺産分割が完了した後で、相談に来られることがあります。

例えば、不動産の名義変更はできたが、預貯金の解約ができない、というケースです。

 

不動産は相続人のうちの一人が単独所有し、預貯金は二人の相続人で折半(2分の1)するという場合で考えてみましょう。

この内容を、遺産分割協議書に記載する必要があります。

 

作成された遺産分割協議書(誰が作ったかは不明)を拝見していると、不動産に関する表示は、適正に記載されている場合がほとんどです。

専門家(司法書士や行政書士)が作った書類なら、なおさらです。

 

この場合なら、不動産は問題なく、相続による名義変更(所有権移転)はできるでしょう。

 

しかし、預貯金の項目が、例えば「預貯金は2分の1の割合で取得する」という記載だけであれば、解約手続きがストップする可能性があります。

金融機関が解約(払い戻し)に応じてくれないケースがあるのです。

 

なぜなら、誰が解約の手続きをするのか、その権限が示されていないから、です。

金融機関からすれば、2分の1を取得する人を信じて解約した場合、あとの2分の1の財産がどのように処分されるか、分かりませんから。

もしかして解約を申請して払い戻した本人が、すべて懐にポッポするかもしれません。

その場合、他の相続人から払い戻し請求をされたなら、金融機関としての責任を問われかねないのです。

よって、金融機関は、専用の様式を示して、それに相続人全ての署名押印を求めるのです。

 

もし、相続人の間で遺産分割協議が難航した場合、もう一度あらためて金融機関の書類に署名・押印を貰うことは、至難の業になることもあります。

二度手間でもありますし、時間の経過により気持ちに変化が生じることがあるかもしれません。

火種が新たに生じることは、誰も望んでいませんし、極力避けるべきです。

できれば、遺産分割協議書だけをもって、金融機関が解約(払い戻し)に応じるような内容としたいですね。

 

では、遺産分割協議書には、どのように記載すればよいのか、です。

一人の相続人が代表して手続きをするというような文言を記載しておくこと、これにより、多くの場合で、別途専用の書類が必要なくなります。

もちろん、その書き方には注意してくださいね。

 

なお、金融機関により払い戻しに応じるかどうかの判断が異なりますので、ご了承ください。

特に、農林組合系は、その金融機関による専用の用紙に相続人全員の署名・押印がなければ、預貯金の解約に応じてくれないケースが多いように思います。

 

今回のテーマである、「遺産分割協議書で不動産の名義変更はできたけど、預貯金の解約ができない」事案について。

一概には言えませんが、書き方だけを見た場合、専門家が作った遺産分割協議書であれば、ちょっと不十分じゃないの?もしくは、依頼者(相続人)に寄り添ったベストな仕事が提供できているの?と思っちゃいます。

不動産の名義を変更したいという目的は達成できますが、その他の事項、例えば預貯金の解約に関する記載について、配慮不足ではないでしょうか。

誰が書類を作るのか、司法書士なのか税理士なのか行政書士なのか、相続人が自分で作るのかによっても、差が出てくるように思います。

作る立場によって、専門家で視点が違うんですよね。

 

相続の手続きは、極めて煩雑で専門的です。

できればスムーズな手続きが望ましいですね。